前回のブログで、成年後見制度の概要をご紹介しました。
今回は、日本では近年どの位の人が実際にこの制度を利用するようになってきているのか、
最近3年間の成年後見制度の利用者数の推移をご紹介します。
最高裁判所事務総局家庭局が公表した、2010年から2012年までの各年12月末日時点における成年後見制度の利用者数及び前年比増加率を表にすると、以下のようになります。
[成年後見制度の利用者数]
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成年後見制度 利用者総数 (人) |
内訳: 成年後見 |
保佐 |
補助 |
任意後見 |
2010年12月末 |
140,309 |
117,020 |
15,589 |
6,225 |
1,475 |
2011年12月末 |
153,314 |
126,765 |
17,917 |
6,930 |
1,702 |
2012年12月末 |
166,289 |
136,484 |
20,429 |
7,508 |
1,868 |
[成年後見制度の前年比増加率]
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成年後見制度 前年比増加率(%) |
内訳: 成年後見 |
保佐 |
補助 |
任意後見 |
2011年12月末 |
9.3 |
8.3 |
14.9 |
11.3 |
15.4 |
2012年12月末 |
8.5 |
7.7 |
14.0 |
8.3 |
9.8 |
これらの表から、成年後見制度のすべての類型で、近年利用者が着実に増えてきていることがわかります。類型別では、各年とも成年後見類型が8割以上で、圧倒的多数です。
利用者総数については、2012年末で166,289人と、日本の総人口1億2700万人に対して、わずか0.1%にすぎない状態です。
成年後見制度は、人の判断能力が不十分になったときに、その人がどのような生活を望むのかを尊重して、その人らしい生活の実現を支援するための制度です。
この制度の目的に反する、支援する側の財産着服等の不祥事の報道に触れると、非常に残念に思います。悪用を防ぐための制度の整備を国が早急に進め、そして成年後見制度がより広く周知されて、利用者が増加することが望ましいと考えます。
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