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アジア開発銀行について

 

201754日から7日に横浜市のパシフィコ横浜で、第50回アジア開発銀行年次総会が開催される。アジアの経済発展や課題等についての国際会議で、3,000人~5,000人の参加が見込まれている。

    開催前に、開催地横浜の市民として、アジア開発銀行の概要を知っておきたいと思う。

 

    1.アジア開発銀行の設立について

    アジア・太平洋地域の経済成長と経済協力の育成により、低開発地域の経済開発を促す

   ことを目的として、196612月に国際開発金融機関、アジア開発銀行:ADB

     Asian Development Bank が設立された。

 

    その背景には、アジア低開発国が自国本意ではなく地域内で開発計画を相互調整する必

要がありその調整機関創設が望まれたこと、他方先進国も世界経済拡大のため南北問題

の解決に取り組んでいたこと等がある。

    また、1960年代にはアジア開発銀行設立に先立ち他の地域開発銀行が設立されてい

(中南米地域の米州開発銀行;196010月業務開始、アフリカ開発銀行;196411

業務開始)。

 

     ADB本部はフィリピンのマニラで、設立当時の加盟国は31カ国。総裁は日本人の渡辺武

   (以後現在まで総裁はすべて日本人)。

 

   2.現在のアジア開発銀行について

   主な業務は、開発途上国への融資、技術援助、公的・民間支援の促進、開発政策の調整

  支援等である。

    201512月現在、ADBに加盟する国と地域の総数は67で、そのうちアジア地域は48

  アジア地域外が19を数える。

    ADBへの出資割合は、(1)アジア地域が63.603%(2)地域外が36.397%である。

   出資割合の高い国は、(1)の日本が15.624%、中国6.451%、インド6.338%

  オーストラリア5.793%、韓国5.043%(2)の米国15.514%カナダ5.237%、ドイツ4.331%

  と続く。

    2015年現在の支援総額は、2717,000万ドルにのぼる。

   その支援地域と支援額の内訳は、東南アジア795,000万ドル、南アジア78億ドル、

  中央・西アジア73億ドル、東アジア312,000万ドル、太平洋46,000万ドル、

  その他54,000万ドルとなっている。

 

  3.アジアインフラ投資銀行とアジア開発銀行について

   中国が主導する国際開発金融機関、アジアインフラ投資銀行:AIIB

    Asian Infrastructure Investment Bank 201512月に発足、20161月に開業した。

  加盟国は57カ国である。日本、米国は加盟しない一方、イギリス、フランス、ドイツ、

  イタリア、ロシア、オーストリア等は加盟している。

   AIIBは中国主導する後発の経済開発支援機関であり、日本主導の経済開発支援機関ADB

  との今後の関係は非常に気になるところである。

    ADBがいかなる関係性の構築を試みるのか、注目していきたい。