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天野篤著『あきらめない心 心臓外科医は命をつなぐ』を読んで

 

近所の地区センターの本棚で、たまたま『あきらめない心 心臓外科医は命をつなぐ』という本を手に取りました。腕組みした著者の写真が表紙で、ちょっと面くらいましたが、どのようにあきらめないで行動してきた人なのか、興味をひかれて本を借りました。

 

この本には、心臓外科医としての著者の成長の過程が書かれています。先輩医師から習い学ぶとき、執刀技術が一定のレベルに達したとき、トップレベルの執刀医と言われるようになったとき、いかなる場面においても著者はより良き医療への探究心を常に持ち続けてきました。例えば、手術の上達に役立つと考えて日常生活で指先のトレーニングを実践したり、手術室の外でも手術に役立つものはないかと意識したり、手術中に難局に陥ったときも冷静に過去の経験からのヒントを探し出して乗りきったりしています。手術の技術向上のためにどうしていくべきか頭を巡らし、そしてその考えを行動に移すという著者の能動的な姿勢は一貫しています。

 

本の中で、著者は、「一途一心」という言葉について、以下の様に述べています。

 

『 一途一心とは、「ひたむきに、ひたすらに」ということ。僕が大切にしている言葉だ。 1つのことに、ひたむきに取り組む。自分のことも、周りのことも気にならないくらい、無心になって向き合う。毎日、こつこつと努力を重ねる。そうやって一途に一心に自分の信じた道を突き進んでいると、いつもの自分が持っている以上の力が湧いてきたり、普段ならとてもできないようなことができたりすることがある。ひたむきに努力した者だけが手にすることができる 不思議な力 といったらいいだろうか。』

 

本を読み終えて、「一途一心」という言葉を自分も忘れずにいようと思いました。